ダサいロックバンドが愛おしい話

  • 2020年8月23日
  • 音楽

 最近は、日本のバンド音楽もかなりおしゃれなものが多くなった気がする。そういったものも一通り聴いてきたし、とてもかっこいいと思うし、それは間違いないのだけど、一方で私が本当に愛おしいと思うのは「ダサい」ロックバンドだったりもする。

そんなバンドをいくつか紹介したいと思う。なお、この記事での「ダサい」というのは心からの共感と賛辞をこめての表現なので、ここにあなたの好きなバンドの名前をあげることについて怒らないでほしい。私もそのバンドのことが好きなのです。

ここに書くバンドはどれも完成度は高いし、こだわりをもって自分たちなりのスタイルで音楽を楽しんでいる。媚びない彼らの「ダサさ」がそれすなわち彼らのかっこよさでもあり、私はそんな音楽に勇気をもらうことが多い。もう一度書くが、この記事でのダサいはかなり好意的な表現であることを理解してほしい。ダサいというのはすごく失礼な表現だとわかっているのだけど、悪い意味でダサいと思っている音楽は耐え切れず途中で投げ出してしまう。

最初に紹介したいバンドが、この記事を書こうと思ったきっかけでもある。その名も「みそっかす(メジャー時代の表記はミソッカス)」。

名古屋出身の、たぶん8年前くらいから大好きなバンド。何がいいって、ゴリゴリに詰め込むそのスタイル。昔バンドでベースを弾いていたから、音楽を聴くときはベースで聴くことが多いのだが、このバンドの曲はどれも、ベースが我を出しまくっているのがすごくいい。ベースが我を出しまくっているバンドに悪いバンドはない、というのが私の持論。

ボーカルの声質、キーボードの音色、ゴリゴリのリズム隊、このバランスがとてもすばらしくダサくてかっこいい。一度聴いてから病みつきになる感覚がたまらない。

「名古屋メシバンド」という言葉が彼らを形容する最高の言葉だと、かねてから私は考えている。味噌カツを厳粛な料亭や高級なレストランで食べたいとは思わない。だけどすごくおいしくて、何度も食べたくなる。そんなバンド。こんなにしっくりくる形容詞はないんじゃないかとすごく気に入っているのだが、残念ながら公表する機会もなかった。なのでしたり顔でここに記しておこうと思う。

とにかく、このバンドはすばらしい。なのだけど、ここ1年くらいちゃんと聴いていなかった。情報も集めていなかった。なんとなく音楽を幅広く楽しむ余裕がなかった。今日、なんとなくどんな音楽を聴いてもしっくりこないなと色々漁っていて、久しぶりに聴いた。

私の好きなバンドは色々あるのだけど、とにかくこのバンドの格好つけずのびのびと自分たちらしい音楽をやっているのが大好きだ。

と思って記事を書くためにWikipediaを見ていて衝撃だったのだけど、今年2月のライブを最後に解散してしまっていたそうで。。。もう、ほんとアンテナを畳んでいた自分が恨めしい。ギターボーカルのデストロイはるきちが新たにバンド「ガストバーナー」を結成して9月に新譜を出すらしい。これはぜひ追っていきたい。

ガストバーナー/ストレンジャー

ガストバーナー/ダーティダンスホール

好きな曲を何曲かあげておく。

いやあ、ダサかっこいい。

次に取り上げておきたいのが9mm Parabellum Bullet。

ファンと言えるほど追ってきたわけではないので(デビュー初期のアルバム2枚とベスト盤を聴いたくらい)、勝手にダサいとかいうのはちょっと気が引けるのだが、たぶん人生で初めて明確にダサかっこいいと好きになったロックバンドだと思う。

当時、たまたま観ていたテレ東の割と遅い時間の番組のエンディングで流れていて、それではまった。ヘビメタにどっぷりはまっていた高校生の頃のことだったと思う。

ダサかっこいいポイントはギターリフとボーカルの声質、それとバンドとしてのグルーブ感というか疾走感だと思う。なんだろうな、ヘビーロックを基調とした雰囲気と歌謡曲を思わせるしっかりとした声質の絶妙なミスマッチ感がすごく印象的。ギターのリフの絶妙な臭さというかメロディアスな感じが、すごく好き。そう、このバンドはダサいというか臭いんですよね、絶妙に(絶妙を使いすぎか)。

普通に「かっこいい」って言えばいい気もするんだけど、なんとなくそれだけだと彼らの良さを十分に表現しきれていない気がして、ついダサかっこいいと言ってしまう。でも、このバンドもやっぱり定期的に聴きたくなるバンドの一つ。

9mmと同じベクトルの臭さをもっていて、みそっかすと同じく名古屋出身のロックバンド「Suspended 4th」にも期待。

ベースのごりごり感もたまらない。このバンドは、そんなにださくないかも。記事を書いていたら何がダサくて何がダサくないのかわからなくなってきた。八十八ヶ所巡礼とかもある種のダサさかなと思う。ギターの音色とかボーカルの声質とかドラムのマッチョ感とか、いいですね。

ダサかっこいいというのは、私にとって重要なキーワードな気がしたので、ほかにどんなアーティストがその路線で好きなのかと考えてみた。

それで思い当たったのだけど、この路線のルーツはBEAT CRUSADERSな気がする。

愛すべき’00年代音楽。

あれ、Spotifyの埋め込みが機能しないぞ。。。(2020/8/24:追記、回復した模様。なんだったんだろう。)

とりあえず応急処置で一番のお気に入りでもある「Feel」のライブ映像を貼り付け。普段は著作権クリアなものしか載せていないのですが、とりあえずSpotifyの埋め込み機能が戻るまで。リンク切れしたらすみません。ぜひ久しぶりにビークルのベストでも聴いてみてほしい。肩肘はらない’00年代のダサさがたまらない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です