30歳を迎えて/渾身の一曲「海猫」

30歳を迎えた。

20歳を迎えたときには、自分の人間性の自信のない部分については置いておいて、現実的な技能をまずは身につけていこうと、人間性は30歳からでいいだろうと、そんなことを考えていた。

結局、そうもいかず、人間性の足りないところからぼろぼろに崩れていったところもあった。しんどかった。辛かった。自分そのものが恥だった。

小賢しい生き方ばかり身につけて、技巧的に振る舞う自分が醜く思えて仕方なかった。

色々あって、ここ2年で自分の特質・自分の生き方・自分らしさを考えてきた。

よく考えてみると、子供の頃から生きづらかった気がする(年齢だけ30歳になったけど、果たして今の私は「オトナ」になれたのだろうか)。

そうなんだけど。

そうなんだけど。じゃあ、自分の人生のどこかのタイミングに戻れるとして、俺はそれをするだろうか。

いや。しないなあ。しんどかったこと、辛かったこと、苦しかったこと、死ぬほど腹がたったこと、誰かを傷つけたこと、恥ずかしいこと、それともちろん楽しかったことも、その全てが俺のアイデンティティなんだろうなと思う。

たぶん、それをどこかできれいに書き換えたら、きっとそれは最早俺じゃないんだろう。

ネガティブに自分を傷つけながらここまで来て、その中で作られた自分の視点を大事にしたい。

30代は、一つ一つこれまで落としてきたものを拾いながら、一歩一歩、生きていこうと思う。

まあ、しんどいんだけど。色々。情けなくて自信がなくて、どうしようもないんだけど、それでも。

たぶん、生きるってそういうことなんだろうと思う。自分の歩幅で、少しずつ。ポコ・ア・ポコ。


そんなこんなを思いながら書いた渾身の一曲。ぜひ聴いてほしい。

(※2021/10/31注:同年9月に再録したものです。)

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