こんにちは、RTです。
久々に「La La Land」を観た。やっぱり、音楽がふんだんに使われた映画って、それだけで幸せ。特に、冒頭の渋滞するハイウェイでの「Another Day of Sun」のダンスシーン。よく考えてみたのだけど、幸せってなんとなくこういうことなんだろうなと思った。個人的には、The Greatest Showmanの「From Now On」も良いのだけど(あー、観たくなってきた)。
ちょい役でいいからこの一員になって踊りたい。というか役じゃなくていいから、日常の中でこんなシーンに出会いたい。丸の内のサラリーマン街とか、渋滞するお盆の東名高速とかで、こんな光景に出会ってみたい。とも思ったのだけど、これを日本人がやるとすごく胡散臭くなりそうにも思う。
にしても、よい映画だ。残念ながら、そんなに映画について見識が深いタイプじゃないので、絶対評価しかできないのだけど。
まずはとにかく、音楽がすごくいい。ハイテンポでのれる曲から切ない曲まで、普通にサントラがアルバムとして楽しめる完成度だし、ラストシーンでそれぞれの曲が一本のストーリーとして一つの曲の中に描かれるのも、感動的。
The Greatest Showmanの曲もこの映画の作曲と同じ人、と思ってたのだけど、Wiki情報だと、La La Landでほとんどの曲の作詞を担当していた人(Pasek and Paul)がThe Greatest Showmanの作曲を担当したらしい。なるほど。
どっちの映画も音楽がすごく良い訳だけど、ダイナミックで人を沸き立てるようなThe Greatest Showmanの音楽と比べて、La La Landの音楽はストーリーとの関係もあり、ジャズをベースにしている。しっとりしたジャズからきらびやかなジャズまで良曲がたくさん出てくる。
劇中、セブがミアの「ジャズはリラクゼーション音楽」という趣旨の発言を、ライブバーで「この演奏を観てみろよ」と教えているシーンがあった。
実は私も大学に入学して一年半だけだがジャズ研に在籍したことがある。そのとき、ちょっと臭い部室でセッションに参加した。私は高校時代にパンク、メタルと好きになり、それから大学でジャズに触れた。そういった、私が好きな音楽を比較すると、演奏者が演奏の面で一番暴れているのは、ジャズじゃないかと思う。
決して、ジャズはメタルより優れているとかそういうことは言わない。ただ、パンクやメタルはバンド全体で一つのスタイルやメッセージを運ぶ音楽である一方、ジャズにはそれだけじゃなく、演奏者同士のせめぎ合いのようなソロパートの応酬がある。個の表現という面をより強く打ち出しているのがジャズという音楽なのかもしれない。
私は、語れるほどジャズを知らないので、これくらいにしておくが、とにかく一年半ぽっちのジャズ研生活で学んだのは、「ジャズでリラックスして眠るなんてとんでもない」ということだ。まあ、もちろん曲によるんだろうけど。
私のめちゃくちゃ偏ったジャズの知識の中で、特に眠れない曲を貼っておく。曲はKenny Drew Trioの「St. Thomas」(動画中24:20から)。ベースのNiels Henning Orsted Pedersenはなんか、とにかくすごい。気持ち悪い(ベーシストへの気持ち悪いは誉め言葉)。これ聴いて眠れるなら、たぶん体の疲れを気にしたほうが良いと思うのだけど、どうだろう。とはいえ、リラックス云々の話をしてるときにカリプソを挙げるのはそもそもお門違いとも思うが、まあ知識不足なので許してほしい。
ともかく、この映画はストーリーもすごくいい。夢を追うことと、幸せって結局なんだろうということを考えながら観ていた。最後の一幕には、心がすごく揺さぶられた。
終幕のシーン、2人が遠くから見つめあって、少しだけ微笑むところを見て、ああ、これでよかったんだなと切なさとともにほっとした。
で、冒頭に戻るんだけど、「Another Day of Sun」のダンスシーンは本当にいい。何か一つだけ、「幸せな景色」を心象風景として描くなら、きっとこのシーンになるんだと思う。
二度目の鑑賞だったけど、やっぱり感動できた記録として。明日「The Greatest Showman」観れるかな。